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うちの犬は絶対咬みません!

2015/04/26
注射や処置の際によく飼い主さんが「大丈夫です。うちの犬は咬みませんから!」と言われます。
先日も狂犬病の予防注射の会場で、「注射をするから首輪をしっかり持ってください」と飼い主さんにお願いしました。その方は「大丈夫、うちの犬はおとなしくて絶対に咬まないから!」とリードをもったままでした。柴犬がかかったような雑種でしたが、ちらちらこっちを向いて威嚇してちょろちょろ動いていました。咬む・咬まないにかかわらず、動いている犬に注射は打てないため、飼い主さんに再度しっかり保定するようにお願いしましたがしっかり持つ気配がないため、とりあえず別の犬を1頭打って再度その方へ保定をお願いしました。しぶしぶ保定されましたが、打ち終わった瞬間咬みついてきました。避けて咬まれることはありませんでしたが、やっぱり!という感じでした。飼い主さんは咬みついてきたのは犬のせいではなくお前のせいだと言わんばかりでした。挙句の果てには、受付事務をしていた役場の職員に「あの獣医はどこの誰だ!」と・・・
私の注射の技術が未熟なのか?良くわかりませんが、そろそろ行政も集合注射から個別注射主体へ本腰を入れてほしいものです。
とくに狂暴な犬はしっかりしたスタッフのいる院内で保定した方が安全だし、病院であれば時間調整をうまくやれば他の犬を見て興奮することもないので犬も飼い主も獣医師も安全なのに。

冬でもダニはたくさんいます!

2015/02/18
暖かい時期だけがノミやダニの活動期と考える方も多く、冬になると極端に駆除率が低下するように思います。寒い時期でもノミやダニは活動しており野外に出るペットにはそれなりの寄生があります。
小豆大の大きなダニから1mm前後の小さなダニまで大きさはさまざまです。
大量寄生している犬が来院すると10~20分程度の診療の間でも院内の床に大量のダニが落ちあちこち這い回っています。ダニの移動スピードは考えているより早く10分くらいで床を1mほど這い回り、壁に登りはじめています。
寒気がするくらい恐ろしい光景です!
あまりに小さいので気づきにくいのですが、人にも動物にも様々な病気を媒介しますので周年駆除が必要だと思います。

ワクチン接種前後のシャンプー

2015/01/15
動物にとってシャンプーは非常にストレスとなります。また、皮膚の代謝に大きな影響を与えます。
動物の皮膚は人間の皮膚と異なり多くの被毛で被われています。被毛は体温調整に重要な役割を果たしており、表皮は皮脂で被われ皮膚の乾燥を防ぎ、病原体の侵入を防いでいます。シャンプーはこれらの生体の防御機構を一時的に破壊し、体温調整も狂わせてしまいます。
したがって、ワクチン接種の前後1週間程度はシャンプーを控えましょう。また、病気の後も十分な期間をおいて実施しましょう。

目の病気

2014/11/29
当院では今年1年間毎月開催される眼科のセミナーに参加してきました。12月が最終となります。このため不在にすることが多くなり大変ご迷惑もおかけしましたが、その分以前より眼科に関しては適切なアドバイスができるようになりました。
ただ、相手が動物であるが故のもどかしさもずいぶん感じるようになりました。その1つが目が見えていないということが飼い主さんに十分伝わらないことです。検査では全くあるいはほとんど見えてないはずなのですが、実際には自宅では何の不自由もなく歩き回るためその事実が受け入れられないのです。動物は室内の家具や物の場所を記憶しているためにあたかも見えているかのように動き回ることができます。院内でものにぶつかったり動かなかったりしても「たまたま」ということであまり積極的な治療にまで至りません。
飼い主さんへの説明がうまくいっていないのだと思います。今後の課題です。

継続は力なり

2014/11/02
当院は今月で開業12年目を迎えます。
開業当初より一貫して「予防獣医学」の重要性を飼い主さんへ啓蒙してきました。地域柄あまり予防という概念がなく、病気になって病院へ行くということがあたりまえでした。したがって、多くの人が犬の寿命は7~8歳でフィラリアで死んでいくというものでした。しかし、啓蒙の効果もあり病院へ来院していただく飼い主さんの多くがワクチンやフィラリア予防などに取り組んでいただけるようになりました。
当院は大動物(牛や豚などの家畜)の診療も行っています。「予防獣医学」の結果が本当に見えているのが大動物の領域です。多頭飼育が多い家畜ですので、予防への先行投資は一時的に経営に大きな負担を与えます。「治療主体から予防」への1~2年の移行期は治療費と予防経費が2重にかかるため、移行前には畜主さんと十分話し合い信頼関係を築くことが最も重要になってきます。予防主体に変換した農家さんの経営は格段に向上します。ただ、予防により病気が圧倒的に減りますので、病気を追いかけるスタイルの獣医さんより収入が減ります。これが”難点”です。
ペットも家畜も病気にならずに予防にお金をかけるという考え方を今後も粘り強く啓蒙し続けていきたいともいます。